B
「おはよー」
 制服姿で家を出て駅へ向かう途中。
 後ろから幼馴染の風間彩舞(かざまひらり )が声を掛けてくる。
 ひらりが声を掛けてくるのは毎日のこと。
 家がとなりで、しかも通っている学校が同じだから登校時間が大体同じ。
「おはよ、ってあれ?風邪引いたのか?」
 ひらりはマスクをしていた。
「うん。昨日の夜、ずっと薄着でマンガ読んでたからだと思う。保健室行くことになったら、結城、私のノート書き係よろしくね」
 少し辛そうだがいつものように悪戯っぽく笑うひらり。
「ああ、うん。それにしてもマンガ読んでたってお前なぁ・・・体冷やすなよ・・・」
 いつも通りの朝が過ぎて行った。