…私はどうしてここに来たのだろう?
「だから、私達について来て欲しいんです!…何でそんなに嫌がるんですか?」
「…だって…貴様らは何をするか分からぬから…。私は、あんな王に従う兵が嫌いだ!…だから、帰れ。」
そう…嫌いなんだ。
だって…私の村を焼いたのは…首都の王…この国の王である、フレーク・レイ・キャンバルディアなのだから。
だから、絶対行きたくない。
「国王が会いたがっているのですよ!?」
「下らぬ。私は国王が嫌いだ!…だから行かない。」
「そ、そんなストレートに言わなくても…。」
兵達は困った顔をする。
…しかし、なぜ行かなくてはならないのだ?
「なぜ…私が国王のもとに行かなければならぬのだ?」
私は疑問を彼等に言う。
すると、兵達は俯いてしまった。
なぜ…答えないのだ?
少しの沈黙があった後、1人の兵が口を開いた。
「…私達も知らないんです。ただ、ラーナという少女を連れて来いとしか…。」
何…だと?
兵にも知らされてないのか。
なんだか怪しいことをしてそうだな、あの国王は。
…全く。
「…決まりだ。首都へ行こう。…国王の目的とやら、聞き出してやる!」
私の言葉を聞いた兵達は目を輝かせる。
…えっと…怖いぞ…?
というか…近い。
「ありがとうございます!…では今から馬車に乗って首都に戻りましょう。」
兵達は村の外へ走る。
私もそれについて行く。
少し走った所に馬車はあった。