国王の息子…王子は私の問いに首を横に振った。

「神は…神達だって、寿命が来れば体が朽ちるんだ。彼らは大体1000年に一度死ぬ。」
「そ…そうなのか…?」
「ああ、そうだよ。…神達は体が朽ちると、別の人間に魂を転生するんだ。




------------その一人が、君だ。」




そう言って王子はシニカルに笑った。
私はそんな彼から目をそらす。


…わからぬ。
少し整理しなければ。
まず、神は不死身だった。
1000年たてば、神すらも死ぬ。
それが…自然の法則。
そんな神の魂が…私に転生したのか。
…いや、待て!
王子は神達と言った。
神は…沢山いるのか…?

「ひとつ聞きたい。神は…1人ではないのだな…?…ほかにも転生者がいるのか?」
「…君はりこうんだね。…そう。ほかにも転生者はいるよ。だけど、わかっているのは君を含めて4人。君と、古代バビロニアの神、タンムズとゼム族の太陽神、シュマシュ。そして僕が、死神のエレシュキガルだ。」
王子はにっこりと笑った。



…なぜ、笑っていられる?
自分の中に神の力が…得体の知れぬ力が宿っているというのに。
私は…話を聞いて、自分のことが怖くなったぞ…?


「そこでだ。お前には私の計画の仲間になってほしい。神が宿っている君や、我が息子の力は限りないはずだからな。」
突然、国王がそういった。
「仲間…だと?私は貴様らの何の計画に協力したらよいのだ?」
国王をしっかりと見つめる。
彼はブロンドの髭を触りながら、満面の笑みで言った。







「ーーーーーー人間を、滅ぼすことだ。」