『そ、俺に継いで欲しいんだって』
そう言って立ち上がる蓮斗。
横にある自販機にお金を入れて、
『なに飲む?』
そう聞いてきた。
だからとっさに大好きな
『ココア!』
と答える私。
満面の笑みで答えたからか、
笑った蓮斗の顔が目に入り
『笑った、ひどい』
そう言った。
大好きなんだから仕方ないじゃん?
『悪い。はぃどーぞ』
手の中ポンと置かれるココア、
あ、ホットだ。
そっか、もう10月過ぎてる
もんね、早いな、ホットなんて
『ココア、好きなんだ』
『うん、甘いの好き』
なんて、子供だよね。
きっと、そう思われてるはず。
『あ、柚乃は?将来どうすんの』
『私?私はー… 』
あ、あれ?
私……何がしたいんだろ。
今まで将来なんて、またまだだと思って
考えてもなかった。
大学行って、なんて。
なんの為に大学行くんだろ。

