『いってくるね』
そう玄関から叫び弁当を片手に
駅までもうダッシュ
絶対間に合ってないし
絶対居ないと、わかってても
急がなきゃと思って走る。
改札口を入って一応周りを見渡す。
『はぁ、さすがに…居ない……よね、はぁ…』
息切れしてもうヘタヘタな私。
とりあえず、お詫びのメール
送らないとだよね。
『柚乃…?』
呼ばれた名前にピクッと体が反応し、
振り返る。
『え?れ、んと?あれ?』
まだあんまり慣れない呼び方。
戸惑いながらも呼んでみるけど
やっぱ慣れないよね。
ってそんなことじゃなく、
なんで居るのかよね、うん。
だって、いまもう8時半だもん、
学校始まってるし。
『良かったーお前やっと来た』
『へ?あ、うん』
いや、うんじゃないでしょ私!。
『あ、ごめんなさい。その…寝坊しちゃって、 』
慌てて謝り直す私に
蓮斗は自販機の横のベンチに
座ってポンポンと横を叩く。

