『俺は気に入ったもん、だからごめんねー』
ニコって笑って断る笑顔に
女の人達は少し私をにらみながら
しぶしぶ帰っていく。
『さっ、帰ろっか柚乃ちゃん』
『は、はい』
『柚乃ーまた明日色々聞かせてね、バイバイ』
絶対楽しんでる。
なんて思ってるけど
口には出さない
だって余計楽しまれちゃうし。
『ごめんな、あの子達に睨まれてたよね』
『いえ、大丈夫…です 』
『ね、敬語やめない?朝はタメだったじゃん』
『あ、あれはその知らなくて、先輩だと 』
歩き出す先輩について歩きながら
話す私。
なんか、モテるんだなー
と分かると周りの 目が気になって
緊張してしまう。
『俺のこと知ってたの?』
『嫌、学年だけで……』
『そっか、俺、村川蓮斗』
村川先輩。
って呼べばいいのかな
『私は、矢原柚乃です』

