背中を合わせて【完】

「そこに捕まって足上げて。」



水を飲めるようになっている上の部分を顔をくいっと動かして男が示す。


あっけにとられていて行動に移さない未夜に呆れたのか、男が無理矢理未夜の足を持ち上げようとするので、バランスを崩しそうになってとっさに石につかまる。


男は未夜からサンダルを脱がせて腫れた足首を水に当てた。


熱を持っていた足首が流水によって気持ちのいい感じに冷えていく。


同時にお姫様だっこされたときに上昇した体温ももとにもどる。



「いいよ。自分でできるから。」



冷静になった未夜の言葉にうんと1回頷いて、男は立ち上がった。