背中を合わせて【完】

「わっ!!」



未夜の顔の上には男の顔があって、細いながらも力のある腕で未夜の身体は宙に浮いていた。



「なっっっっっっ、なにすんの!!バカっ!おろして!!」



いわゆるお姫様だっこっていう形で未夜を持ち上げて歩き出す男。


カァッと全身の体温が上がったような感覚の後、男の手を叩きながらもがく未夜。



「バカはどっちだよ!そんなに暴れたら落ちるって。」



その言葉にちょっとだけ我に返った未夜は、確かにと納得しておとなしくなった。