背中を合わせて【完】

未夜は握られた腕を振りほどいて痛みを感じた右足首を覗くようにズボンの裾をめくってみる。


ちょっとだけ赤くなって腫れている足首を見えた。



「おんぶする?」



本人は心配しながら言っているんだろうが、恥ずかしげもなく言われたその言葉が少しむかつく。


いきなり意味の分からない男の言葉は無視。


未夜はUターンして足を引きづりながら公園の出入り口に向かい始めた。


痛いけれど、家まで帰れないほどは痛くはない。


少しずつ公園の出入り口が近づいてきたが、その足はふわっと地面から持ち上げられた。