背中を合わせて【完】

未夜は膝とおしりと足の裏の汚れを叩いて落とすと、サンダルを履いてベンチに座った。


隣に座っている男とはだいぶ間をとって、昨日と同じようにベンチのギリギリ端に。



「なんか俺、未夜に嫌われてる?」



未夜はそんな男の言葉など聞く耳も持たずにポケットから携帯を出して時間を確認する。


携帯が示していた時間は5時40分。



(30分くらい寝てたのかな...。)



まさか公園のベンチで寝るとは思ってもいなかったから、我ながら驚いた。