背中を合わせて【完】

小さい頃はよく転んでいたが、大きくなるに連れてその回数も滅多になくなったのに。


そのまま上半身を起こして地面にペタリと座ったままの状態で、手のひらの砂をはらった。



「大丈夫?」



心配そうに顔を伺う男のほうに未夜は顔を向ける。


そこにいたのは紛れもなく昨日会った赤い髪の男だった。


未夜の痛みで潤んだ目を見て男はちょっとだけ焦る。



「と、とりあえず立てって。服、汚れるよ。」