背中を合わせて【完】

「えぇ!!??...わっ!」



ビックリした未夜はその反動で大勢を崩した。


足に力を入れて踏ん張ろうにも、その足はベンチから踏み外して体は前のめりに地面を向いていた。


未夜にはスローモーションに感じて、地面に顔から転ぶ恐怖を感じさせる。



「あっぶねっ!」



男も大勢を崩す未夜に気づいて、焦って腕を伸ばす。


が、男の伸ばした腕には何の効果もなさずにただ真っ直ぐに伸ばされているだけだった。


残念ながら男の手は空振り。