背中を合わせて【完】


いつもの場所に座ってカフェオレの缶をベンチの上にそっと置く。


このベンチに座ってもやっぱりギターがないことに少し淋しさを感じた。


何もすることがなくてただただ空を見上げてみる。


空気はだんだん澄んできて、周りの視界は徐々クリアになってきた。


太陽の光がちょっとだけ空を照らすけど、まだ朝日の姿は確認出来ない。


気温が少しずつ上昇するのと共に、未夜にはうっすらと睡魔が襲い始めた。


外にいるのにとても静かな心地良い時間。


ここは大通りからは離れているし、まだ人が歩いていたりもしていないおかげで、静寂が未夜を包み込んでいた。