背中を合わせて【完】

「だから夢のためにバイトしてるって言っておいて、日本で時間に追われる日々のがいいと思った。このまま旅の資金なんて貯まらなくてもいいって思えた。でも未夜が輝く目で俺を見て、応援するからって言ってくれたとき、俺に罪悪感が襲ってきたよ。」



バーベキューの夜を振り返る。


夢のことを話してくれた零は、最後未夜に抱きついて泣いていた。


あのときの涙には、そう言う意味があったんだ。



「それからは未夜に会うたびに背中を押されるような気がして、俺は自分の夢の不安から逃げるのをやめたんだ。少しでも早く夢に近付こうって思えた。だからこうして日本を発つ日を迎えられたんだ。未夜には本当に感謝してるよ。」



そう言って零は笑いかけてくれるけど、未夜は首を思いっきり横に振った。