背中を合わせて【完】

「未夜にそのことを先に話したんだ。一番最初に話せなくてごめん。」


「順番なんて関係ない。でも、急にもほどがあるな。」


「そうだよねー。俺もそう思う。だけどバーベキューの日に未夜に夢のこと話したら、応援してるって言ってくれたんだ。だから決断できた。」



圭は黙って話を聞いていた。



「いつまでも居心地のいい日本に残ってちゃ、夢は叶わない。お金は貯まってるのに、知らない土地にひとりで行くのはやっぱり不安でさ。背中押してもらおうと思ってたのに、未夜にあんな形で気持ちをぶつけられるとは思ってなかったよ。」


「お前を日本につなぎ止める原因は未夜の存在か?」


「未夜もだけど、圭もだよ。あと、心配してくれる友達とか先輩とかみんな。」


「で、未夜に背中押されて日本を発つ決意をしたってことか。」


「うん。でも未夜はその決断に俺の背中を押してくれなかった。それどころか後ろ髪引かれる気分だよ。」