背中を合わせて【完】

「泣いてる理由は何?」



零のその言葉に未夜は答える余裕はなかった。



「前に言った通りに、未夜が高校を卒業する頃に俺が旅立つんだったら泣かなかった?」


「それとも俺の旅立ちがいつになろうと、近づけばこうやって泣いてくれるの?」


「応援するって前に言ってくれたときみたいに、もう笑顔で見送ってはくれないの?」


「俺と過ごす時間が楽しくて、俺の夢を応援出来なくなった?」



零が未夜の顔を見て聞くすべての質問に、未夜は零と一度も視線を合わせずに答えなかった。



「未夜。」



ぽつりと呼ばれた未夜の名前に、ちゃんと自分の気持ちを伝えなきゃと思う。


それでも涙は止まらないし、上手く話せる気もしないし、声を上げて泣いてしまいそうになる。