背中を合わせて【完】

そんな未夜の心のこもっていない応援に、零は足を止めた。



「ごめん。突然こんなこと言って。」



零の申し訳なさそうな言葉に、未夜は頭を横に振った。


向かい合う2人でも、零に未夜の顔は見えない。


未夜は顔を地面に向けているから。


それでも握ったままの手から伝わる力と振動で、未夜が声を殺して泣いているのはよくわかった。


未夜の目には涙があふれて、地面さえもよく見えない。


涙が地面に落ちると、零の靴が1歩前に出て未夜に近づいたことがわかった。


零は静かに泣き続ける未夜を抱き寄せようと、片手を未夜の背中に回そうとする。


それでもその腕は未夜の背中に触れることなく下ろされた。