背中を合わせて【完】

(そんな遠くから私のこと見つけてくれてたんだ。今日はいつもと全然違う姿なのに...。)



駅のホームに入ると、人気の少ない最前車両の方まで歩いた。


電車を待っている間、零からの視線を感じても恥ずかしくて振り向くことが出来ない。


どんどん体温が上がっていく気がして、赤くなっていそうな顔を見られることを拒んで顔を背いた。



「えっ?なんでそっち向くの?」


「だって零がずっと見てるんだもん!そんなにずっと見られてたら穴空きそうだよっ。」


「可愛いんだもん。浴衣似合うね。やっぱり俺の読み通り、髪結っても未夜は可愛いよ。」



そんなに可愛い可愛いって連発しないでと心の中で叫ぶ未夜。


体温上昇と早くなる鼓動で心臓が破れそう。