背中を合わせて【完】

お弁当が空になると、凛はちょっとゆうくんのところに行ってくると言って、机を戻して教室を出て行った。


未夜もお弁当箱を鞄にしまうと、窓の外に視線を向ける。



(そういえば...。)



『圭は昼休みに屋上専用階段にいるからそこで聞いてみなよ。』



赤い髪の男が言った言葉を思い出した。


時計を確認すると昼休みはまだ10分くらい残っていたけど、未夜が動く様子はない。



(今日は荒川のこと見てないし、別にあいつの名前なんて知らなくてもいい気がする。)