背中を合わせて【完】

「今日のバイトは、9時からと17時からと19時からと21時からってこと。」


「はぁ?この数字はみんなバイトの時間ってこと?バイトやり過ぎでしょうよ。」


「そう言われるのは慣れてるよ。だからみんなにはわからないようにそうやって暗号化して書いてるの。」



零の行動には、それなりに理由があったようだ。


確かにこの暗号では誰もバイトのシフトが書かれているとは思わないだろう。



「このアルファベットは仕事を示してるの?」


「そうだよ。TはThe Bestっていうレストラン。RはR'sっていう居酒屋バー。Hは春運っていう運送会社。」



そんなにも掛け持ちして、こんなにもギリギリな時間で生活してることを改めて感じる未夜。


忙しい生活をする零の朝5時から6時までの1時間は、零にとってはとても貴重な1時間なんだと気づいた。