背中を合わせて【完】

零って意外とわがままなのかなと思いつつ、さっきと同じように未夜は零のの数歩後ろを歩く。


急に何かを思い出したかのように、あっ!と言って零は立ち止まった。


振り返って未夜に笑顔を見せると、零は未夜の手を取って歩き始める。



(え?なに??なんで手をつながれなきゃなんないの?)



未夜の戸惑いを他所に、零はぐいぐいと手を引っ張って行く。



(そういえば前に怪我をしたときも、普通にお姫様抱っこしたよね。普通は高校生がそんなことしないと思うんだけど...。)



零はきっと、そういうことを気にしないで自然にする人なんだって思い込む。


だから、未夜も零の行動にはいちいち気にしないように心がけよう。


それなのに、未夜は凛の言った言葉を思い出した。



『零君は未夜に気があると思うよ』



凛が余計なことを言ったせいで、気にしないはずの未夜は顔が火照った。


意識すればするほど心臓の鼓動が早くなる。