背中を合わせて【完】

未夜と話すようになってからはちゃんと門から公園に入るようにしているから。


ベンチに座って少し待っていると、すぐに未夜の姿が見えた。



「おはよう。」



いつも通りに零が声をかけると、未夜も返事を返してくれた。



「おはよう。これ、ありがとう。」



差し出された手には怪我をしたときに零が貸したタオルだった。



「どういたしましてー。」


「あとこれも。何が好きなのかわからなかったから、昨日飲んでたのと同じものだけど。」



怪我したときのお礼のつもりなんだろう。


未夜の手には昨日零が飲んでいた炭酸飲料と同じ飲み物があった。