紅龍〜過去に囚われし少女〜




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in リビング



――ガチャ


ダラダラと長い廊下を歩きやっとリビングに着いた。

この家、無駄に広すぎるんだよ。



『親父ー、なんかよぅ…ぶっ』


「美桜ー!」


ドゴッ



いきなり抱き着く親父に兄貴同様に殴る。



「痛いなぁー、まぁそうゆうとこも好きだけどね」



兄貴の様に一発で黙らないのが更にウザイけど。


うん、さりげなくキモいことも言ってたけど、スルーするのが一番だと思う。



『いきなり抱きつくのが悪い』


「だって美桜が可愛いんだもん」

『きもい』



ビシッと言い切る。いい歳したおっさんが“もん”って。少しいや、かなり引く。



隣で泣いてるふりをしてる痛い親父を横目にため息をついた。