紅龍〜過去に囚われし少女〜




隼人は、一瞬探るような目付きであたしを見た後、何事もなかったかのようにバイクに跨がった。


なんとか誤魔化せたか?



見た感じ何も考えていなそうに見えて意外と鋭いな。

多分、いざというときに一番冷静なのは彼だろう。



そもそも、派手な見た目も軽そうな性格も自分を偽る為か…。




「はい、メット」


『ありがとう』



ヘルメットを貰ってかぶり腰へ手を回す。



「それじゃ、行くよ」



その声とともにバイクを走らせた。








倉庫に向かうまではどちらも口を開く事もなく無言だった――。