教室を出たあたしは足早に理事長室に向かった。



――バンッ!



壊れそうなくらい大きな音をたて扉を開く。苛々のあまりノックなんて忘れて。



『たっちゃん!!』


「うぉっ、美桜か」



呑気に言うたっちゃんを余所に、


『美桜かじゃないだろ!なんで銀狼と同じクラスなのを言わねぇんだよ!!』



怒鳴った。



「おま、口調が紅龍になってんぞ」



慌てた声が聞こえる。つい怒りのあまり口調が元に戻っていたようだ。

でも、今はそんなの関係ない、



『とにかく、なんで言ってくんなかったの!?』



「じゃないとお前が変われねぇだろ」



あたしの声が大きくなるにつれて、たっちゃんの声が一オクターブ低くなった。