紅龍〜過去に囚われし少女〜




「美桜、自己紹介」



ぼーっと考えていると春樹の声で我に返り慌てて自己紹介する。



『えっと、一ノ瀬 美桜。よろしくね』



微笑みながら言うとクラス中の男子の顔が赤くなった。どうしたんだろ、風邪?



『みんな風邪?大丈夫?』



心配になって言うと教室の温度が二度くらい下がる。

え、なんだろう…。



「「「(無自覚)」」」



とクラスの誰もが思ったのは言うまでもない。