紅龍〜過去に囚われし少女〜




「あ、それとこの学校には銀狼と乱鬼の2つの族がある。銀狼は正統派だか、乱鬼はいろいろやってるから気をつけろ」



たっちゃんが付け足して言う。


暴走族か。もう、関わる気はないけどね。



『分かった』


「よし、そろそろ行くか」



春樹の声でソファーから立ち上がる。



「じゃあな。あ、美桜暇だったらいつでも理事長室こいよ」



まったく理事長がそんなこと言っていいのかよ。たっちゃんだから仕方ないけど。まぁ、ありがたく使わせていただこうかな。



『うん』



それだけ言うと理事長室を後にした――。