紅龍〜過去に囚われし少女〜




『で、担任は?』



落ち着いてきたところで本来の目的であることを聞く。



「あぁ、今呼ぶ」


そう言うとなにやら放送の準備を始めた。



ピンポンパンポーン


「えー、春樹!今から20秒以内に理事長室に来いよ!間に合わなかったらお前の恥ずかしい過去を話すぞ!ブチッ」



え、最後の脅しだよね…?あいからわず、人使いが荒いのは変わってないな。

てか春樹って…、


――ガチャッ



「チッ、後1秒だったのに」



たっちゃん顔恐いよ…、どんだけ遅れさせたいんだよ。



「おい!達哉!20秒はさすがにって、えぇっ美桜?」


うん、ナイス反応。



『久しぶり、…春樹』


久しぶりに彼、春樹の名前を呼ぶ。元気そうでよかったな。



「お前今までどこいって…心配したんだぞ!」


そういうと抱き付いてきた。