佳乃は歩きながら、商品に興味を持ち、声をかけてくれた企業に、丁寧に説明をしていく。自分にわからないところがあれば、その商品の設計者を交えて話をした。

この場にある商品の全てを説明出来なければと、佳乃は一つ一つ覚えていたのだ。
デザインの特徴や、設計者の名前まで。

その作業は膨大ではあったが、やりがいがあった。
イベントの度ではなく、新デザインが出るたびに覚えていけば、一度に覚える内容が少なくて済む。

そう思った佳乃は、設計部との連携を特に重視している。
比較的自由のきく社風だし、社長や部長に許可ももらっていた。
設計部も、是非にと協力してくれるので、ありがたい。