secret name ~猫と私~

ノーヴェが佳乃の葛藤に気付くはずもなく、小首をかしげた。
さらりと、短い髪がまた肩で踊る。

「関係、ありますか?」

本当に不思議で仕方がないと言いたげな態度に、腹が立った。
関係は確かに無いが、そんな風に言わなくてもいいのではないか。

「無いわ・・・ね。」

「なら、答える義務、無いです。」

ノーヴェは無表情のまま一礼して、飲まずに手に持ったジュースを持って去っていく。
これ以上話すのは、時間の無駄だとでも言いたいのだろうか。

彼女の腰のポーチの金属音が遠ざかって行くのを、佳乃はただ見送った。