secret name ~猫と私~

胸の奥に、鈍い痛みを感じる。

今まで佳乃だって、公私混同しないように、自分にも他人にも厳しくしてきたつもりだ。
それが正しいと思っていた。
なあなあになれば、いい仕事は出来ないと。

しかしセッテは、周りの雰囲気を盛り上げながらも、どこか一線引いている。
そういうやり方もあるのだと、彼を見ていて知ることができた。

今日もセッテが、笑顔で仕事をこなしていくのが目に入る。
さりげなく周りをサポートし、それが回りまわって、佳乃の仕事を軽くしているのだ。

まさに、完璧なサポートである。

こういう人間が補佐にいたらと、ずっと思ってきた。
理想のサポーターなのだ。
だが、彼との契約は、残り約半分。
3ヶ月契約のうち、1ヵ月以上過ぎてしまった。

最初のころはセッテの強引さに辟易していたが、いつの間にかそれに慣れてしまっている。
1ヶ月も経つと、彼のいない休日の静けさが、少し寂しい。