「お姉ちゃんとお姉ちゃんの彼氏が話しにくるんだって。結婚の」 「へぇー、結婚すんだ。めでたいね〜」 「どーせわたしへの当てつけだよ。家に帰りたくない」 しばらく帰らないつもりでここに来た。 「それで来たのか。じゃあ、泊まってく?」 深い理由も聞かずにわたしが望む答えをくれる。 いつもそう。 でもやっぱり下心かと疑う気持ちは少しあって…… ちらっと海の目を見ると、そんな気持ちは消えた。 「…うん」