夜風で顔のほてりもおさまった時、前から疑問に思ってたことを聞きたくなった。


「あの時…」


「ん?」


「海と初めて喋った時……、なんでわたしが無理してるってわかったの?あの時にも聞いたけど。ほんとに喋ったことなかったよね?」


「んー、なんか楽しくなさそうだったから。和田さんたちといる時もバイト中も。でも、小さい子供がいる家族の注文聞いてる時はなんか違ってた。だからこっちが本当の柚衣かなって。まぁバイトし始めてそんな日は経ってなかったから、どれが本当の柚衣かなんてしらなかったけどね。だけど、なんとなくわかった」