「お姉様。落ち着いてください。

 最後までお聞きになってください。

 私は嘘など付きません。

 それに久道様は

 記憶がないのでございます。

 私が愛を確かめても

 覚えていらっしゃらないのでございます。

 ですから・・・。」

「・・・すまない。ついカッとなって。」

お姉さんは きっと

妹のことが大事でたまらないんだろう。

だから俺のことが許せずにいる。

・・・俺はそう思った。