「おい。」

声をかけると

少し顔を赤らめて

「あ・・・。」

と彼女は声を漏らした。

「どうしたんだ?

 帰らないのか・・・?」

「帰りたいのですが・・・

 傘がなくて・・・。」

「・・・んじゃこれ。はい。」

俺は如月に 傘を手渡して

とっとと走って帰ろうと思った。