「これがWの屋敷の構造か。有難うなメイフェイ。」


「寸分の狂いもないと思うわ。私が調達した情報だし。」

「ウェン、作戦の方はどうだ?」


「もう少しだ。爪が甘いんだ、まだ…何処かが。」


見取り図を眺めて作戦を頭の中で描いていくウェンの邪魔をしない様にと部屋の外に出たヨウレイとメイフェイは、作戦室とされている部屋とは別にもう一つある治療室と仮眠室が兼用されている部屋に入り、ベットに腰掛けた。


「なあ、メイフェイ。」


「私を抱くなら高いわよ?」


「そんな事に興味はない。前から思ってたんだが作戦を完璧にしたいのは分かるが、あんなに考え込むウェンを見るのはアレ位でな。何か理由があるのか?」


「ふふ、分かってるわよ。多分、それはウェンのお父さんが理由よ。」


予想通りのヨウレイの反応に口元に淡い笑みを浮かべるメイフェイの言葉の意味を公に知られている情報しか知らないヨウレイは、理解が出来ずに眉を潜めては首を傾げる。


「…ウェンの父親って軍部でも有数の軍人だったのと、初めて反乱軍を結成した方としか知らないな。」


「そうよ…、立派な方だったわ。私を温かく迎えてくれて本当の娘の様に愛してくれた。仕方ないわね、ちょっと話しとこうかしら。」