──その会議から二ヶ月後、戦争により兵力が低下し抵抗の弱まるアメリカ等の大国に対して核兵器を放ち、各国の崩壊と共に長くに渡り破棄していた武力の牙を向けた。

既に核兵器により、弱まっていた国を占拠するのは容易い事で、直ぐに武力の強い国家は日本の配下にされていき、結果的に周囲の国は核に恐れて無条件降伏を飲む事を余儀無くされた。
実質上日本は世界を短期間で占領した事となり、それと同時に配布された憲法｢新日本憲法｣は日本を一気に変える内容だった。

一、頭脳・技術の優秀者は国の繁栄の為に自身全てを国に捧げる事。

二、仕事の効率が悪い者・自らの与えられた仕事を迅速に、そして正確に行動出来ない者は即排除、日本国民として認めず、駄民として判断する。

三、国を敬い、全身全霊を国に捧げる事を誓い、また国に反する者は例え家族であろうと排除する事を肝に命じる事。

四、尚、この憲法を受け入れない者・厳守しない者は敵と判断し、命なき者と思う事。

この憲法が配布された次の日には、各企業・学校・保育園に至るまで憲法に照らし合わせた選抜を始めていった｡
しかし、そんな勝手な憲法が国民に不満を与えない筈がないのは政府も分かっていた｡