――2年生になって数日。彼女は突然やってきた。


「ねぇ、高瀬君だったよね? ……よかったらアドレス教えて欲しいんだけど、いいかな?」


彼女はいわゆる美少女だった。それはテレビの中のアイドルにも劣らないくらいに。


「ああ、いいよ。ケータイ忘れたから紙に書いていい?」


 俺は、もちろん即答。



 ……それにしても女子にアドレス聞かれるとか、久しぶりだな。



 アドレス聞かれたから、俺に気があるんじゃないか? とは考えなかった。

……いや、少しは考えたけど。



 まあ、彼女はクラス全員にアドレスを聞いてまわっていたから可能性は必然的にゼロ。