恋愛は長続きした試しがない。

ティースプーンでカップの中をくるくるかき回す彼女を横目に、わたしはいつもの言葉を返す。

「また、なんで」

にこりと笑えば可愛い部類に入る彼女は、悪女っぽく微笑んで湯気の立つ紅茶をこくりと飲んだ。

「なんか飽きちゃう」

「それはあんたが悪いね」

「私を飽きさせる方がわるい」

このとんだ女王さまが。

穏やかに悪女の笑みを覗かえる彼女を今日も私はため息で一蹴する。



**彼女は女王様**