一日中、落ち着かなかった。

たとえ、仕事で松原さんと話をしていても、皆がそんな風に見ているんじゃないかって被害妄想でいっぱいで。

いつもは、課長の席まで行くのが遠いと思っているこの部屋も、なんだか窮屈に思えた。


「ふぅ……やっと終わった。」

思えば朝から1日、わたしはあの噂に一人で振り回されっぱなしだ。

もう一人の当事者であるはずの松原さんはお構いなしなのに。


念のため……由真にメールで様子を探ってみる。

商品開発課にもう、噂が出ているならば――それは雅城の耳にも入っているってことだから。