沈黙が苦しくて、恐る恐るわたしから切り出してみる。


「おなか……どのくらいすいてる?」


雅城の視線はテレビを見たままで、反応は一切無かった。


「ご飯、作ろうかと思うんだけ……」

「食って来たから。いらない。」


キッチンとリビングの合間に流れる、冷たい空気。

今日の松原さんとのひとときを思い出すと余計に冷ややかに感じた。

「わかった。」

それだけ言うのがやっとで、わたしは寝室へと向かった。


雅城に話しかけるのを試みることはもうやめようと思った。

話したくないなら、話さなければいい――

わたしもなんだか意地になった子供みたいな振る舞いになっていることに気付く。