「ごめんね……もう、離れたりしないから。」

わたしに触れようとしない雅城の手を、そっと握りしめた。

雅城は、先ほどまでの顔とは別人のような晴れやかな表情になった。


「オレも、病気直すよ……重症の嫉妬病を。

小さいことに嫉妬するんじゃなく、心配されるくらいのかっこいい男にならないとな。」


そうはなかなか、簡単にいかないのは重々承知。

本人の言うとおり、それは重症なレベルだから――。


「ところで……松原とは、もう別れたのか?」

「ううん……別れる以前に、始まりすら微妙な関係のままよ。

傷つけたことをお詫びしながら、明日にでもきちんとすべて話をしてくる。」

「明日……?……あ、うん……。」

「雅城とのことも、伝えていいよね?」

「……そう……だな。うん。……松原の立場になってみたら、少し酷だけど。」