「まだ、入社して間もない頃、一人の女性を好きになったんだ。 オレたちの同期でさ、しっかりしてるけど、かわいいとこもあるやつで。 オリエンテーションでオレと北野の間の席だったんだけど、休憩時間中になんだか意気投合しちゃってね。 それ以来、三人でよく飲みに行くようになったんだ。」 聞きながら、それはあまり喜ばしい話ではないとすぐにわかった。 瞬は、自分の恋が叶ったことはないと言っていたことと、もう一つの理由は―― 雅城が入社してすぐに好きになったのは、元カノの田上さんだからだ……。