「由真って……木原とか言う子?

なんだか凄く元気のいい子だよね。

あまり他部署の人は知らないオレだけど、何故か彼女の名前は知っているよ。」


瞬は、白い無地のTシャツに袖を通すと、タバコをくわえて青い100円ライターを手にした。

由真は仕事もできるうえに、とにかく目立つし人当たりがいいから、会社でも色々な部署に知り合いがいるんだ。

もしかしたら瞬も、誰かから噂を耳にしていたのかもしれない。


「同期ってさ、一緒に頑張ってきた仲間っていう安心感も大きいけど、負けられないっていうライバル意識もあるよな」


瞬のその言葉に、わたしの頭に浮かんだのは……雅城の顔だった。