「松原さんって、結構渋いし、優しそうだし。

まさか、北野さんみたいなヤキモチ妬きだとは思えないしね。

あたしがもし璃音なら、ソッコー乗り換えるけど。まさに渡りに船ってやつね。」


そういえば由真は、決まった彼氏を長い間作っていない気がする。

わたしと雅城を見てると、つくづく恋愛って面倒くさいって思うと笑っていたことがあった。


「由真だったら……簡単に、気持ちを切り替えられる?」


だって、何がなんだかわからないまま今の状況になったんだもの。

人の気持ちはそんなに簡単に、スイッチを操作するような具合には行かないんじゃないかって思っているわたしには、それが一番の疑問だった。


「まぁ人それぞれかもね。

あたしはもう、璃音みたいな恋愛は無理。

時々会ってご飯食べてくれたり、身体が合えばエッチして、そんなつきあいで満足だもん。」