由真は、OLじゃなかったら占い師とか人生相談を受ける人に向いていると思う。

いつもながらするどい言葉を投げかけられるとわたしはすでに返す言葉が見つからなかった。


「正直に言えば、雅城の事を嫌いだって思ってるわけではないと思う。

だからこそ、わたしはものすごく頭を痛めてるんだもん……。」


もしかしたら由真には、二股なんてかけて軽い女だと思われてるかもしれない。

完全に嘘じゃないだけに否定もできないけど。


「ぶっちゃけ、わたしは前々から北野さんはもうやめれば?って言ってたわけだし、別に璃音さえよければ今の状況、むしろ、いいことじゃないかって思うよ。」


ガラス窓の向こうに見える街路樹の緑色が生き生きと色濃くなっている。

――気付けばもうゴールデンウィークも目の前。

この1ヶ月弱の間、わたしの環境は一気に変わりすぎていた。