「がっかりだよ。まさか、本当だなんてな。」
立ち上がった雅城はわたしの視界に入るように立ち位置をずらすと、クッと強い目線でこちらを見つめた。
「――オレ達、もう終わりかもな」
冷たく吐き捨てると、あの日以来、初めて寝室へと向かって去っていった。
今まで、自分がソファで身体を休めわたしに寝室を提供してくれていた雅城が、今日は自分が使う為に向かった。
それがどういう意味か、理解するのに時間はかからなかった。
終わり……?
わたしたちって、こんなにカンタンに終わるんだ……。
きちんと言い返せば理解してくれるかもしれない。
けれど、あなたのその考え方が根本から変わらない限り――
きっとまた、同じことだよね……。

