【完】三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ参





「結婚しろ、とは言ったけどさ、親父はクソババァにそれなりの言葉言ってるらしいんだよな。なんか、一緒にドライブ行って、『あの夕焼けよりきれいな君と結婚したい』とかなんとか」




 恥ずかしいのかな。奏太さんがモゴモゴとしか言わないから、なんて言ってるのかよくわからない。




「どういうこと?」



「だから、正式なプロポーズしてぇんだよ!」




 奏太さんが言った。



 バイクが一瞬、グラッと傾いた。




「きゃっ」




「あ、すまねぇ」



 奏太さんの横顔が一瞬、見える。奏太さんの頬は真っ赤だった。