私はホッとした。 「あのね、私、去年まで自分の運命をずっと恨んでたの」 私の言葉に特に奏太さんは何も言わなかった。 「十六年間、本当に死んでもいいって、そう思ってた」 奏太さんがやっと口を開いた。 「だからあのとき、自殺しようとしてたのか」 私は頷く。 「楽になりたかった…。どうせ、誰も悲しまないってそう思っていたから」 背負い込んだ重荷を捨てて、楽になりたかった。