別に、驚かなかった。 むしろ、当然だって思った。 「そっか」 「…あぁ」 また、沈黙。 今度は私が沈黙を破った。 「奏太さん、あの言葉、本当?」 「…あの言葉?」 私は頷いた。 「七帆に感謝してるって」 「あんな奴に感謝したくはないが、あいつがお前を捨てたから、俺とお前はこうして出会えた。その運命には感謝してる」